
なぜ「不動産業界はやめとけ」といわれる?その理由と不動産業界の魅力
「不動産業界で働きたいといったら、周りからやめとけとアドバイスされてしまった…」
「なぜ不動産業界はやめとけといわれるのだろう?」
不動産業界を志望するあなたは、このような疑問を抱えていませんか?
そこで本記事では、「不動産業界はやめとけ」といわれる理由について解説します。
また、記事の後半ではそれでも不動産業界で働きたくなる魅力や、ホワイト企業とブラック企業を見分けるためのチェックポイントも解説しています。
この記事を読めば、不動産業界で働くべきかどうかが分かりますよ!
なお、不動産業界に就職する際は、適性が何よりも重要です。
以下の記事では不動産業界に向いている人を解説しているので、こちらも合わせて読んでみてはいかがでしょうか。
目次
1.「不動産業界はやめとけ」といわれる理由は離職率の高さにある
結論から述べると、「不動産業界はやめとけ」といわれる理由は離職率の高さにあります。
離職率とは簡単にいってしまえば退職した人の割合のことで、離職率が高ければ高いほど「労働環境が悪い」「社員が不満を覚えている」と評価されやすいです。
厚生労働省が発表している『2019年(令和元年)雇用動向調査』によると、不動産業界の離職率は15.1%でした。
引用:厚生労働省『2019年(令和元年)雇用動向調査』
平均である15.6%を下回っているものの、16分類ある業種の中で第7位にランクインしており、比較的高めの数値であることが分かります。
また、『新規学卒就職者の離職状況』によると不動産業界で働く大卒就職者のうち、3年以内に離職した人は34.2%でした。
厚生労働省:『新規学卒就職者の離職状況』
こちらも18分類ある業種の中で第7位ですが、平均である32.8%をやや上回っており、やはり高めの数値であることが分かります。
ではなぜ、このように離職率が高いのかというと、主に以下の4つの理由が挙げられます。
これらの理由について、具体的に確認していきましょう。
理由1:ノルマが厳しい
ノルマとは、簡単にいってしまえば営業目標や売上目標のことです。
不動産業界は非常にノルマが厳しく、達成できないと上司から叱責を受けたり、給料が減額されたりといったペナルティが与えられる場合があります。
こう聞くと「真面目に頑張っていればノルマを達成できるんじゃないの?」と思われる方がいるかもしれません。
しかし、不動産業界では扱うものの価値や額が大きいため、契約までに掛かる時間が長引きやすいです。
そのため、すでに買い手や借り手が見つかっていたとしても、すぐに契約に結びつくわけではないのですね。
そんな契約を月に何件も取らなくてはいけないのですから、不動産業界のノルマがどれほど厳しいか分かるのではないでしょうか。
理由2:サービス残業が多い
不動産業界は、非常にサービス残業が多いです。
実際に、パーソル総合研究所が正社員6,000人を対象に行った調査によると、不動産業・物品賃貸業における「サービス残業時間の月平均」は11.54時間でなんと第2位でした。
引用:パーソル総合研究所『業種・職種別残業実態マップ──どの業種が、どのくらい働いているのか』
また、不動産業界は、残業そのものも多いです。
同調査によると、不動産業・物品賃貸業における「30時間以上の残業割合」は31.8%で第4位でした。
引用:パーソル総合研究所『業種・職種別残業実態マップ──どの業種が、どのくらい働いているのか』
このことからも分かるとおり、不動産業界は残業が多いうえ、サービス残業の被害にも遭いやすい環境なのです。
理由3:平均年収が低い
一般的なイメージとは異なりますが、実は不動産業界は平均年収が低いです。
大手企業口コミサイト『キャリコネ』の統計によると、不動産業界の平均年収は403万円で第27位でした。
引用:キャリコネ『年収の高い業界ランキング』
国税庁が発表している『民間給与実態調査』によると、日本人の平均年収は436万円ですから、大きく平均を下回っていることが分かります。
もちろん、中には「不動産業界は年収が高いって聞いたことあるけど…?」と思われる方もいるでしょうが、あくまでこれは一部の優秀な不動産営業マンに限った話。
「年収1,000万円越えも狙える!」といった話題の陰に隠れがちですが、実は事務職の人や能力のない不動産営業マンは、むしろ年収が低い傾向にあるのです。
理由4:景気の影響を受けやすい
不動産業界は、景気の影響を非常に受けやすいです。
たとえば、イタンジ株式会社が行った調査によると、不動産業界で働いている人の83%が「コロナウイルスによる業務への影響があった」と回答しています。
引用:イタンジ株式会社『不動産業界の83%が新型コロナの影響あり、テレワーク導入は42%』
同調査の中では、具体的にどのような影響があったのかについてもアンケートを行っています。
来店数の減少:42%
内件数の減少:41%
法人問い合わせの減少:29%
Web問い合わせの減少:29%
入居キャンセルの発生:28%
上記のとおり、多くの店舗が「来店数の減少」や「内件数の減少」など、売上に関わる影響を受けたことが分かります。
このように、不動産業界は外部からの影響を受けやすいため、変化を好まない安定思考の方には向かない業界だといえるでしょう。
2.それでも不動産業界で働きたくなる魅力
「不動産業界はやめとけ」といわれる理由は上記のとおりですが、一方で不動産業界は就活生から根強い人気を集めています。
実際に、株式会社ディスコが2020年卒の大学生を対象に行った調査によると、不動産業界を志望先として挙げた学生は13.8%にのぼりました。
引用:株式会社ディスコ『20卒学生の11月後半の就職意識調査』
全体での順位は第10位と決して高くありませんが、それでも『1.「不動産業界はやめとけ」といわれる理由は離職率の高さに表れている』で解説した内容を考えると、かなり人気があるといえるのではないでしょうか。
ではその魅力は何なのかというと、主に以下の3つが挙げられます。
- 実力次第で高収入が期待できる
- 学歴や資格が問われにくい
- やりがいがある
『理由1:平均年収が低い』でも少し触れましたが、特に不動産営業は実力主義の世界であるため、成績が良ければ良いほど給料が跳ね上がっていきます。
不動産会社の求人情報に「学歴不問」「資格は問わない」と記載されていることが多いのも、この実力主義が関係しています。
そのため、不動産業界は「勝ち組になりたい!」と考える低学歴の就職先としておすすめされることも多いです。
また、扱う商品の価値や額も非常に大きいですから、成果を出せた時には大きな喜びややりがいを感じられるでしょう。
このように「営業マンとして自分の腕を試したい」「裁量が大きい仕事に就きたい」という方にとって、不動産業界は非常に魅力的な環境なのです。
3.不動産業界のホワイト企業とブラック企業を企業を見分けるポイント
「不動産業界がやめとけといわれる理由や、それでも働きたくなる魅力について分かった」
「やっぱり不動産業界で働きたいのだけど、もし就職した会社がブラック企業だったらどうしよう…」
こういった不安を解消するために、あらかじめ志望する会社がホワイトなのかブラックなのかを調べておきましょう。
主要なチェックポイントは、以下の7つが挙げられます。
- 3年以内の離職率
- 残業時間
- 有給取得率
- 基本給
- 年間休日数
- 福利厚生の数や種類
- 自己資本比率
このうち、特にチェックしておきたいのが3年以内の離職率と残業時間です。
具体的な基準はありませんが、たとえば3年以内の離職率なら『1.「不動産業界はやめとけ」といわれる理由は離職率の高さに表れている』で紹介した32.8%を、残業時間なら『理由4:サービス残業が多い』で紹介した25時間を基準にすると良いでしょう
なお、これらのチェックポイントを調べるうえで、ぜひ活用していただきたいのが『就職四季報』です。
『就職四季報』は就活生なら読まないのがもったいないほど情報量に溢れているので、以下の記事を参考にその使い方を学んでみてくださいね。
また、ホワイト企業の探し方としては他にも、政府や民間組織が実施している『ホワイト企業大賞』や『ホワイト企業認定』を参考にするという方法が挙げられます。
以下の記事では、こういったホワイト企業を選ぶ企画について紹介しているので、「『就職四季報』が手に入らない」「なるべくお金を掛けずに無料で調べたい…」という方は読んでみましょう。
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まとめ
この記事では、以下の内容について解説しました。
- 「不動産業界はやめとけ」といわれる理由
- それでも不動産業界で働きたくなる魅力
- 不動産業界のホワイト企業とブラック企業を企業を見分けるポイント
不動産業界は「サービス残業が多い」「ノルマが厳しい」など様々な問題点があります。
しかし、一方で「実力次第で高収入が期待できる」「学歴や資格が問われにくい」など魅力があるのも事実です。
「周りから何といわれようとも絶対不動産業界で働きたい!」という方は、この記事を参考にホワイトな不動産会社を見つけてくださいね。
なお、ホワイト企業で働くことのメリットを知りたい方は、以下の記事がおすすめですよ。